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青春スクエア ~Lost world~

ここは、失われた世界。                                     もう光を浴びる事のないであろう世界。                           この世界は、私の様々な想いが眠る世界でもあります。

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ブログ移行について

瑠璃子の呟き

今回、当ブログのURLを変更してブログ移行をする事になりました。
新しいブログのURLは。
http://seisyunsukuea.blog.fc2.com/です。
今までと同じように向こうの方でブログを更新していくつもりなので、よろしくお願いしますm(__)m
こちらは完全に廃墟化してしまうと思うのですが――
それでも、残しておきたいと思ったんです。
今までみなさんから頂いたコメントは、向こうには持っていけませんので。
ここに、残して新しい出発をしたいと思いましたのでそうする事にしました。
新しいURLで活動する事に嬉しさやら寂しさ等を感じた始末です、はいw
それではみなさん、改めて。
今後も青春スクエアと久遠瑠璃子をよろしくお願いします。












by久遠瑠璃子
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短編 ただのバカップルですよw

名も無き物語

「俺さ、お前の返事聞くだけですげぇムカつくんだけど。つーか会話になってないし」
「え? 変身した彼女がバイクに乗ってカイワレになった?」
――こいつの耳は腐ってる。
何をどう聞いたらそう聞こえるのか、俺にはわからん。
目の前にいるこいつは、いつも俺が何か言うと必ず聞き違える。
つーかふざけた事ばっか抜かしやがる。
普段はそんなに聞き違えたりしねぇけど。
たまにこうやって耳が腐る時がある。
つか、脳みそが腐る時がある。
一回、いや――何十回もこいつの鼓膜を破ってやるくらいの声のデカさで言ってやりたい。
言いたい言葉がある。
それでもこいつは聞き間違えるんだろうけど。
「お前、一回死んで来い。頼むから。そんですげぇ耳良くなって来い。馬鹿」
「え? 一家シンドリーが卵剥いてゲーミミが良くなった?」
腹を抱えてこいつは、そんな事を抜かしやがる。
こいつ、ふざけてやってんだろ絶対に。
俺をからかうためにやってんだろ、絶対に。
「――お前、もう介護施設に行って来い。介護してもらえ。そして死ね」
「はい? カビゴンが行っちゃって悲しい?」
そう言って、こいつは大笑いする。
流石に、苛立ちを感じられずにはいられない。
さっきまではまともに話せていたってのに。
先日一緒に観に行った映画の内容を、楽しく話してたってのに。
そんな奴が――
こんな風に急に耳と頭が腐った馬鹿になった。
「俺の言ってる事が聞こえないなら死んで来い、馬鹿」
そこまで、さっきと同じ声量で言う。
でもその後の言葉は、小さな声で言う。
こいつは耳が悪いから、小さい声はあんま聞こえない。
いや、絶対に聞こえない。
いつも俺が大事な事を言う時に、ちゃんと聞き取れてないから。
だから言う。
小声で、小さく呟く。
そしてこいつの耳元で馬鹿デカイ声で馬鹿と言ってやる。
どーせ、聞こえてないんだろ?
「――馬鹿はないだろ、馬鹿は。オレもお前の事が好きだよ。ちゃんと、聞こえてる」
――なんで、告白だけはちゃんと聞こえてんだよ。
この馬鹿が。









短編 幸せのカタチ

名も無き物語

「あぁ、疲れたぁ~」
そんな事をぼやきながら俺は家に帰る。
家に帰りながら、少し家に帰るのが楽しみになって足早に家へと戻る。
そんな事をしながら頭の片隅で。
俺は家庭を持ったサラリーマンか!
等とツッコミを入れながらも、顔を幸せそうに崩壊させて家へと帰る。
家に帰れば、この疲れもぶっ飛ぶものがある。
それで癒してもらおう。
そんな事を思っている内に家に着き。
俺はすぐに玄関の扉を開け放つ。
「ただいま!」
「ん…ぅ? あ、おかえりなさぁい…」
って、いきなりなんだこれはァァァァ!!!!
毛布に包まった俺の愛しい恋人が玄関でほんわりと。
眠そうに目を擦りながら俺に柔らかい微笑みを向けている…だとッ!?
「――俺をいきなり萌え殺す気か…」
「ほぇ?」
嗚呼、可愛いなぁもう!!
そう思いながら俺はもう反射的に恋人を抱き締めていた。
――これが、俺の癒しだ。
とても愛しい。
何よりも大切なもの。
もうこの子を見ていると胸のドキドキが止まらない!!
「おかえりぃ。今日も遅かったね」
「どうしてお前はこんな所で寝てたんだい? ん~?」
頭を撫でながら聞いてみると。
俺の腕の中にいる可愛い子は少し顔を赤くしてから。
「ど…どうしても、おかえりって…言いたかった…からぁ…」
――この子は、俺を絶対に萌え殺す気だ。
一々俺の萌えのツボを刺激してくる!
きゅんきゅんしすぎて本当に死にそうだ。
思わず萌え死してしてしまいそうだ……。
この子は萌えバスターだよ。
「あ、それとねぇ」
「ん~?」
「お風呂沸かしてるよ? あ、やっぱりご飯が先? それとも……」
少し上目遣いで俺を見つめてこの子ったら――
「僕?」
ここ、漫画ならさ。
ブシッ!って感じで鼻血噴き出すんじゃないかな。
そうならないなら今少しでも鼻血が垂れてると思う。
注意される前に鼻の所を拭いておこう。
いつもならここは即答でベットへGOするのだが。
今日は自重しようではないか。
いつもは自重なんてしない俺が自重するんだ。
有り難く思ってくれたまえ。
「じゃあ無難にご飯から」
「わかった! じゃあ、こっち来て!」
嬉しそうにそういう君は俺の腕を引っ張ってリビングへと連れて行く。
リビングへ行くと。
美味しそうな生姜の匂いがした。
テーブルの上には美味しそうな豚の生姜焼きが。
どうやら、俺が帰る少し前に出来たみたいでまだ熱々だった。
嗚呼、愛を感じる……。
てか、新婚じゃね?これってさ。
てか……。
とりあえずネクタイを緩めてそれを食べてみるんだけど。
君は俺の目の前に座って両手で頬杖をして俺を見つめて。
「美味しい?」
萌え…降臨。
いや、萌えのネ申様が降臨なさった。
もうドキドキがとらまない。
あ、噛んだ。
テンション上がり過ぎて噛んだ。
ドキドキが止まらないんだけどこれ!!
いや、味なんてもう俺好みなんだけど!
胃袋がっさキャッチされてんですけど!!
めっちゃ良い嫁だよ君はァァァァ!
ま、俺だけの嫁なんだけどね。
「うん。すごく美味しいよ」
味は最高。
うん、ここ重要。
味は、最高。
見た目、ちょっとダメ。
グロいとか、そんなんじゃなくてね。
性格がすごい出てるよ、これは。
トマトさ、すごい適当に切ってあるんだけど。
キャベツ――
ぶつ切りだよね?これ。
だが、文句なんて言えるかァァァァァァ!!!!!
俺のために一生懸命頑張ってくれたこの子に文句なんて言えるかッ!!
見た目は悪くても味は完璧なんだから許す!!
「良かったぁ。今日初めて作ってみたんだぁ。口に合って良かったぁ…」
嗚呼、本当に可愛い。
ヤバイ、俺がこの子に惚れてるレベルもヤバイ。
だが、この子の可愛さが何よりも問題だ。
思わず見惚れちゃうでしょうが。
「ん? 僕の顔に何か付いてる?」
「すごく、可愛い」
「ほぇっ!?」
赤くなってそうやって可愛らしい擬音を発する君がすごく愛しい。
すごく可愛い。
「うん、可愛い」
だから、ちょっと虐めたくなる。
「う、うぅ~……」
顔を真っ赤にして手で顔を隠しちゃったから。
ちょっと残念に思いながら話を変えてあげる。
いつもなら攻めまくって虐め倒すんだけど。
「でもこれ、今日初めて作ったんでしょ? 初めて作ってこんなに美味しく出来るんだ」
「うん! 本に書いてあった通りに作ったんだ!」
嗚呼、本当に可愛いなぁ。
もうぎゅ~って抱き締めたいな。
背骨、折る勢いで。
あ、でも折ったら大変か。
折らない程度に……。
で、出来るか?俺……。
「ご飯食べ終わったらお風呂入る?」
「うん、入る」
あ、フラグ立った。
ここで言えるか?
俺の可愛い可愛い恋人よ。
少し期待してじっと、恋人の顔を見つめてみる。
すると君は俺の顔をじっと見つめ返して。
まるで子猫のように不思議そうに首を傾げて見せた。
は……鼻血が出そうだ…。
だが、ここは我慢して攻める!
「一緒にお風呂とか、言わないんだ?」
「ふぎゅっ!?」
なんだふぎゅっって!!
可愛い!
萌える!
ヤバイ…俺の負けだ…。
俺の方が君の顔を見ていられなくて思わず背を向けた。
「こ、今回は一人で入るからさ…。寂しいと思うけど待ってて。マッハで入って来るから」
そう言ってリビングから飛び出した。
あれ、今の台詞ってなんかベットで待たせる時の台詞みたいじゃないか?
気にしすぎか。
そんな事を思いながらも冷静になるように風呂に入ってすぐに水を頭から被る。
――あの子と出逢って、話をしてからずっと感じてたこのときめき。
それが一体何なのか、最初はわからなかった。
最初はこの子、可愛いなぁとか思ってた。
全てが萌えの要素で出来てるのかと本気で思った時もある。
でも俺は恋とか、そういうのにすごく疎くて。
相手が自分の事を想っていてもそれに気付けなくて。
それ所か、好きだって言われてもずっと嘘だと思ってた。
どうせ、俺をからかうために言ってるんだって。
ずっと、そう思っていたんだ。
でも、あの子だけは違った。
あの子はすごく素直で。
自分の想いを真っ直ぐ、素直に伝えてくる子で。
この子の言ってる事は、本当なんだなって思えた。
それから、すぐに変化が起きたんだ。
他の人に告白されて、いつものように断ろうとしたら――
あの子が脳裏に浮かんで来た。
それから、少し考えた。
あの子がもしも、こんな風に告白とかされたらどうなんだろうって。
あの子は、その告白を受けるのだろうかと。
それからすぐだった。
いつも俺はあの子に好きだって言ってた。
可愛くて好きだ。
そういう素直な所、好きだよ。
君が好きですから。
でもその好きはどんなものか自分でもわからなかった。
だたの、兄弟愛のようなものかと思ってたんだ。
可愛い弟が出来たみたいだと、思っていたんだ。
するとその日。
「その好きって、恋愛感情の好きですか?」
君がそう聞いてきた。
そう言われても、わからなかった。
これが恋なのか、ただの萌えの対象なのか。
それとも恋なのか。
「じゃあ、あなたのお父さんとお母さんや兄弟に感じるものとそれは同じですか?」
それで、気付いた。
姉貴に対する感情とは違う事を。
親に対する感情とは全く違う事に。
「それは、恋ですよ。僕と同じ…」
君にそう言われて、初めて知ったこの感情。
この想い。
それから君をすごく抱き締めたいと思った。
君の全てが欲しいと思った。
君の教えてくれたこの感情は、想いは。
恋って言うんだね。
この気持ちに気付いてからはずっと君の事だけを想ってる。
それから俺達は、ずっと一緒に居る。
だが、この萌え攻撃には未だに弱いのだ……。
風呂から出てみると君はソファに体操座りで座ってテレビを見ていた。
そしてまたもや布団に包まってうとうとしていた。
その姿が可愛らしくて、俺は君の隣に座る。
「あ…出て来たんだぁ」
「眠いの?」
「ん~…ちょっと頑張りすぎちゃったぁ…」
そう言って君は眠そうに目を擦る。
「それにテレビ見てたら可愛い子猫が気持ち良さそうに寝てたから思わず…」
体操座りで布団に包まってる君も十分猫だよ!
可愛さは同類だよ!
いや、君は絶対に動物化したら猫に決まってる!
しかも子猫だよ、サイズ的にさ!
「今日もお疲れ様」
不意に想像もしていなかった言葉が聞こえて、驚いて君の方を見る。
「え…?」
「毎日遅くまでお仕事ご苦労様。明日も美味しいご飯作って待ってるから、頑張ってね?」
優しい微笑みを俺に向けて、君はそう言う。
その優しさが嬉しくて。
君の言葉が優しくて。
君が愛しく思えて。
一瞬で疲れなんて吹っ飛んで。
俺も微笑んで君の頭を撫でて言う。
「ありがとう。明日は早く帰って来るからさ」
そうすると君は嬉しそうに少し俯いて笑う。
ああ、愛しいな。
そう思いながら一緒にテレビを見ていたんだけど。
少しして急に君が。
俺の右肩に寄り掛かってきた。
君の温もりを感じて俺は少し嬉しく思う。
いつもみたいに甘えてるのかと思って顔を覗き込んでみると。
君は可愛い寝顔で寝息を立てて眠っていた。
その寝顔を見て、すごく癒された。
それから、ここで寝顔を見ているのもいいけど風邪を引かせちゃいけないと思い。
すぐにテレビを消して君を抱き上げる。
そのまま寝室まで連れて行って、君をベットに寝かせてあげる。
ついでだから俺も一緒に寝る事にして、布団の中に入る。
すると君は俺に抱き付いて眠るので。
その事を嬉しいと思いながら抱き締め返して呟く。
「おやすみ」
良い夢を見よう。
一緒に愉しくて幸せな夢を。
いつまでも一緒にいよう。
この命が朽ちるその時まで、ずっと。
ずっと――









短編 すれ違いの中で

名も無き物語

今日も俺は頑張る。
この仕事が終われば、愛しい人に逢えるからだ。
仕事が終われば、すぐに待ち合わせの場所に行って愛しい人を待つ。
それが俺の唯一の愉しみ。
それが俺の生きる理由。
お前と逢えるなら、俺はどんな事だって出来る。
例えコンビニバイトで店長に無理難題言われたってこなしてやる。
お前とさえ話せるならどんな事でも耐えられる。
そう――
どんな事だって。
「じゃ、上がります」
「お疲れぇ~」
「明日、早朝だったよな?」
「はい」
「七時間しか眠れないって、大丈夫なわけ?」
「――大丈夫です」
お前と居れる事を考えれば辛くない。
それが俺の働く理由。
それはお前と一緒に旅行とか、色んな場所に行きたいから。
紅葉を見た事ないって言ったお前に見せてやりたいから。
寒いの苦手だって言ってたけど、一緒に北海道とか行きたいから。
話をする度に一緒に行きたい場所が増えていった。
お前は休みなんてそう簡単に取れないだろうから。
唯一の休みの日とかに行きたいとか思ってて――
でも、一番の理由は。
お前に、無理をさせたくないからだ。
今までずっと、お前は働いて働いて。
働き続けていたんだから、今度は俺が働く番だって思った。
でも、そのせいで最近悩み事が出来た。
お前との待ち合わせ場所で、俺は待つ。
すごく寒い、息が真っ白になる寒さの中。
俺はお前が来るのを待つ。
いつもお前は来ると息を切らせながら。
『ごめん、遅くなった!』
そうやって、言うんだ。
お前は仕事が忙しくて、俺と逢えるのは一週間の中で二日だけ。
一緒に暮らしたいけど、俺はまだそこまで仕事で稼げてないから無理だし。
バイト始めた頃はまだ余裕で週に四回逢ってたりしたけど。
俺の方が、無理になってきた。
一日だって話さないと、本当は足りない。
でも寝ないでお前と話してると、俺は多分すぐに倒れると思う。
今まで働いた事もねぇ、引き篭もりが急に仕事始めて急に仕事三昧になったんだ。
それを知ってるからお前も、逢う日が少なくなっていくのを許す。
我が儘、言っても相手に無茶させるだけだと多分俺もお前も思ってるから。
そこで、問題がある。
今は週に二日逢っているのだが――
今度から週に一日しか逢えないかもしれない。
俺が代わりに入った人がもうやめる。
すると俺はその人のシフトになる。
そのシフトを聞いて一瞬戸惑った。
早朝が六時から九時。その後に十七時から二十二時のシフト。
朝は五時起きだ。
それが次からは月曜日から木曜日まで続く。
逢う日は木曜日だからギリギリ逢える。
前までは休みは最低二日あったのに次からは――
一日しか休みがない。
それが、就職活動では当然なのかもしれないが。
まだまだ世の中の事を知らない俺にはどうかわからない。
ただ、キツイとだけは思う。
睡眠時間的に考えても。
お前と逢う――時間を考えても。
今日はその事を話そうと思っていた。
きっとお前は俺がそうやって言うと。
『そっかぁ……。でも、頑張ってるからね。俺も頑張るから、平気』
――全然、平気じゃねぇくせに。
口から吐く嘘には、すぐに気付ける。
少なくとも、俺は嫌だからだ。
だけど、どんなに嫌だって言ってもどうにもならないから。
結局はそう言うしかない。
相手に、嫌われないためにも。
ふと、俺は時計を見る。
――来る目安の時間は既に過ぎていた。
最近来る時間が遅いし、来た時の息の荒さからしてかなり向こうも無理してるんじゃないかって思う。
そこで、少し思う。
一日しか、逢えないし話せない。
そんな事やってたら――
突然、ケータイのメール音が響く。
嗚呼、開けたくない。
見たくない。
でも俺はケータイを見てしまう。
そこに書いてある事を目にして、胸が痛む。
まるで、心を針で刺されたような鋭い痛みがする。
『ごめんなさい! 今日はちょっと接待があって無理そうです……。帰っても十二時くらいになりそうなんでまた今度でもいいですか?』
「――――」
我が儘、言いたい。
待つから。
来るまで待つから。
本当は言いたい。
でも、そんな事を言ったってお互い無理するだけ。
だから俺は、こう答えるしかない。
『わかりました。じゃあ次は木曜日ですね。俺も明日早朝が入ってて五時起きなので。では、頑張ってください。良い夢と良い一日を過ごしてください。それではおやすみなさい』
いつもはもっと、優しい返信が出来るけど。
今はちょっと、出来ない。
――寂しい。
自分でも送ったメールを見て苦笑する。
メールでだけ、我が儘を見せたっていいだろ?
文章には出さないけど。
本当は逢いたいんだって、伝わればいい。
冷たいと思われるだろうけど。
――逢いたい。
それから少し思う。
恋人同士で一番いけないのって、これだけ思う。
すれ違い。
お互いに忙しくなって。
逢う時間もなくなって、そのまま終わる。
よくあるパターンだ。
そういうのって、よく他に好きな人が出来るのが多い。
――――――
俺はお前にそんな心配はしない。
俺はお前にとって、初恋の相手だから。
お前は俺以外に今感じてるような感情は持った事が無いと言ってた。
実際の恋に関しては、知らねぇけど。
まだ俺達は、お互いの事を知らないような気がする。
そう思うと、俺は自分でも酷いと思う事を思ってしまう。
俺達は、釣り合わないんじゃないかって。
俺達は、合わないんじゃないかって。
そして、一番最低な事を考えてしまうんだ。
このまますれ違ってたら、俺達はこのまま終わってしまうんじゃないかって――
そう考えて、胸が痛む。
離れたくない。
ずっと一緒に居たい。
だから俺はそのために頑張る。
お前に逢える事を糧に頑張る。
それが、俺を突き動かす。
お前のためだと思えば、何でも出来る。
でも、何処かで聞いたような気がした。
疲れたとか、釣り合わないとか一瞬でも思ったり感じたりした時はもう終わりだって。
そう思っていると――
自然と涙が頬を伝っていた。
その事に自分でも驚く。
嗚呼、女々しい……。
逢いたくて、愛しくて泣くなんてよ。
嗚呼、愛しい……。
こんなに愛しいのに、すれ違う俺達。
そんなの本当は、嫌だ。
我が儘を言いたい。
でも、言えない。
『今日はこれで終わり』
そう言って俺に手を振って、俺の前を去ってしまうその背中を――
追い掛けて、抱き付いて引き止めてしまいたい。
そのまま、現実も何もかも忘れて何時までも一緒に居たい。
「ふっ……ぅ……」
涙が次から次から、零れてくる。
嗚呼、逢いたい。
嗚呼、話したい。
嗚呼、触れたい。
嗚呼、愛しい。
感情が溢れてきて、止まらない。
好きだから、離れたくない。
好きだから、無理をさせたくない。
好きだから、離れてしまう。
距離を置いたら、きっと心までも離れてしまう。
永遠の愛とか恋なんて、現実には存在しないと思ってる自分が居る。
愛や恋なんて、所詮幻。
一時的な、甘い魔法。
そんな事を考える俺は、捻くれてると思う。
ああ、不器用なんだな……。
恋って、すごい不器用なんだ。
すれ違いなんて――
俺は絶対に、嫌だ……。









短編 瑠璃色の海で

名も無き物語

俺には、兄貴が居た。
兄貴はすごく綺麗に泳ぐ人で。
兄貴は俺の憧れだった。
俺も兄貴のように泳げるようになるのが夢だった。
でもある夏の日。
突然やって来た嵐で兄貴は行方不明になった。
その時、俺も一緒に居て。
大波に俺が呑まれそうになった時。
兄貴は笑って言った。
「俺の分まで、生きてくれ」
そして、波に呑まれた。
俺は、兄貴が大切だった。
何よりも大切だった。
でも、それは恋愛感情じゃなくて。
ただの、憧れ。
でも俺はその日から泳ぐのをやめた。
水に入る度に、波に呑まれた兄貴を思い出すから。
それに、俺はあの時思った。
兄貴は人魚だって。
すごい、泳ぎが綺麗だった。
まるで滑るように泳いで。
綺麗な顔立ちに綺麗な声。
それに、俺のために海に呑まれた。
――俺のために、泡になった人魚。
俺は兄貴の事を人魚と例えていた。
そんなある時。
俺は沖縄の方に引っ越した。
それからすぐだ。
どうしてかその日俺は、泳ぎたくなった。
沖縄の綺麗な海を、泳いでみたいと思った。
泳いで、兄貴のようになりたいと思った。
だから、泳ぐ事にした。
でも気が付いたら自分が何処に居るのかわからなくなった。
無我夢中で泳いでて。
もしかしたら、このまま泳いで行ったら兄貴に会えるんじゃないかって思ってた自分も何処かに居た。
日が暮れてきて、俺はとりあえず陸に上がる事にした。
そこで、俺は出会ったんだ。
ハイビスカスの咲いているトンネルの奥。
草が生えてて、座るとチクチクして。
空は綺麗な瑠璃色で、綺麗に瞬く星々と満月。
海は綺麗な瑠璃色に空を映していた。
静かな波の音が、俺の心を癒していって――
そこには、一人の少年が居た。
どうやら寝ているようで。
目尻に、涙を浮かべて悲しそうな顔をしている少年が。
こんな幻想的で綺麗な光景の中で。
その悲しそうな少年がすごい魅力的に見えた。
そこで俺は、その少年に恋をした。
一瞬で、俺はこの場所を気に入った。
それから少しずつ、俺達は仲良くなっていった。
俺があの場所に行くとお前は笑って俺を迎えてくれた。
でもお前は。
俺が来るまでの間はずっと、悲しそうな顔をする。
酷い時なんか、泣いてたりする。
その姿を俺は、隠れて見ていた。
だから、聞いてみた。
「お前、前に来た時も泣いてたよな」
するとお前は涙を拭って海の綺麗さに感動しただの言い出す。
そんなわけ、ねぇだろうが。
だったら、どうしてそんなに悲しそうな顔――すんだよ。
なんで、声を殺して泣いてるんだよ。
でも、俺が何を言ったってそいつはきっと答えてはくれないだろう。
そう思っていると急に。
「――人魚?」
そいつが、そう言ってきた。
一瞬、何が言いたいのかわからず。
「海から、来たんでしょ? もしかして、人魚?」
そう言われて、俺は笑う。
俺が人魚?
俺の何処が人魚だよ。
兄貴みたいに綺麗には泳げねぇし。
俺は、人魚なんて存在とは程遠い。
兄貴の足元にも俺は及ばない。
「綺麗じゃん。人魚みたい」
そう言われて、正直嬉しかった。
こいつは、俺の何処を見て綺麗だって言うのかわからなかったけど。
俺自身が人魚だって言われた事がなくて嬉しかった。
まぁ、確かにそう思うかもな。
いつも泳ぎに来て、休憩をしにここに立ち寄る。
海から来るから、そりゃ人魚だと思っても仕方ないよな。
でも、俺には足がある。
声だって出る。
泡になんか、ならねぇぞ。
その日俺は、そんな事を思った。
それから色々と話して色々な事を知った。
誕生日が同じだって知って、運命だと思った。
俺は、同じ誕生日の奴に会った事がなかったから。
それに、好きになった奴は特に居なかったからな。
しばらく楽しく話してたのに。
急にそいつが、悲しそうな顔をした。
それを見て、俺は思う。
その悲しげな顔に、俺は惚れた。
正確に言えば、泣き顔に惚れた。
でも、正直俺の目の前でそんな顔はして欲しくねぇ。
出来る事なら、全部言ってくれないかと思う。
俺に出来る事ならば、何でもしたい。
それで、お前が笑うならば。
そう思って、言ってみた。
「お前はどうしてそんなに悲しそうな顔してるんだ?」
するとお前は驚いたように自分の顔を触って。
「そんな顔してる?」
してたから、聞くんだろうが。
「言ってくれ。そうしたら、少しは楽になるだろ?」
お前の願いを、叶えてやりたい。
お前の笑顔が、見たい。
そう思って聞いたのに――
お前は悲しそうな顔をして。
「僕、人魚と初めて逢った時……恋人だった人にフラれたんだ」
想像していなかった事が、お前の口から出てきた。
「僕なんか要らないって。向こうが僕の事を必要としてくれたから、僕を強く求めてきたから――僕はそれに答えてただけなのに。すごい、好きだったのに……」
そう言って、月明かりに照らされて輝く透明な真珠が。
数個落ちていくのが見えた。
「大好きなんだ……。どんなに酷い言葉で突き放されたって、どんなに傷付けられても――僕はまだ好きなんだ……。まだ、愛してるんだ……」
そう言って、お前は泣いた。
嗚呼、なんだ。
俺の恋は、最初から叶わなかったのか。
なんだ。
俺の入る隙なんて、なかったのか。
なんだ……。
その恋人って、なんて奴なんだ。
どうしてこんな奴を、傷付けて簡単に捨てる事が出来るんだ。
こんなに想われてるってのに。
嗚呼、そいつがムカつく。
目の前で泣いているお前を俺は。
気が付いたら抱き締めていた。
嗚呼、これで最後だな。
きっと、お前と会えるのは――最後だ。
それを知ったら、俺はもうここには居られない。
お前の傍にはもう――居られない。
お前が俺の事を人魚だって言うなら。
人魚は人魚らしく。
愛しい人のために泡になってやろうじゃねぇか。
そう思って俺は。
「その恋人の目――覚まさしてやるよ」
そう言って、お前を強く強く抱き締めた。
嗚呼、お前を俺のものに出来たら。
どんなに良い事だろうか。
俺が人魚だって言うならお前は――
俺だけの王子だ。
俺はその王子のために、泡になる。
愛しい人の幸せを願って、泡になる。
ただ、それだけだ。
兄貴が俺にしてくれたように。
大切に想った人のために、消える。
ただ、それだけ。
そこで、初めて気付く。
流れ星が、綺麗だという事に。
流れ星というものを、俺は初めて見た。
流れ星がとても、綺麗なものだと知ったその日――


翌日。
俺はお前の恋人だった奴の所に行って言ってやった。
「どうして、あんな良い奴を捨てたんだ?」
そいつは俺を見て、笑って言いやがった。
「そりゃあ、鬱陶しいからに決まってるだろ。鬱陶しくなったら捨てる。当然の事だろ?」
その言葉を聞いて、お前の姿が脳裏に浮かんだ。
お前が、そんな事するわけない。
あんなに一途な奴が。
鬱陶しいわけがない。
こいつは、何も知らないんだ。
どんなにお前に想われているのか。
そう思うと、俺は目の前にいるそいつを殴っていた。
「何も、知らねぇくせに…。あいつがどんなにテメェの事を想ってるのか、知らねぇくせに! お前の事が好きだって言って、泣いたんだぞあいつは! そんな奴を、鬱陶しいから捨てる? 当然の事だぁ? ふざけてんじゃねぇぞ!!」
俺が、お前の恋人だったら。
お前を離しはしない。
泣かせはしない。
笑顔だけを、与えてやりたい。
お前には、いつでも笑っていて欲しい。
そのためなら俺は、なんでもする。
「頼むから――あいつを、幸せにしてやってくれよ……。俺じゃ、出来ないんだよ……」
お前が強く想ってるのは俺じゃなくて。
目の前にいる、こんなクソみたいな奴。
お前の綺麗な想いを、鬱陶しいと言う奴。
俺じゃお前を、笑わせる事は出来ない。
俺じゃ、ダメなんだ。
だから、俺はこうするしかない。
「お前、本当にあいつの事――嫌いなのかよ?」
「……仕方ねぇだろ! 思わず勢いであんな事言っちまったんだよ! 嫌いなわけねーだろーが! 俺、苛々してる時とか、思ってもねぇ事言ったり突き放したりしちまうんだよ!」
「――なら、あいつの所に行ってやり直そうって言えよ。それで、あいつを幸せにしてくれ」
それだけ、言い残して俺はその場を去る。
さて、これからどうするか。
もう、あの場所には行けないな。
ここから――
沖縄から出るか。
そう思って俺は一度、沖縄から出た。
こうなったらもう、お前に俺は必要ない。
だから、俺はこの地を去る。
それから二年くらい月日が経って。
その間俺はずっと、お前の夢を見てた。
瑠璃色の海と空の中で笑う、お前。
だから本当に最後にするつもりでもう一度だけ。
もう一度だけ。
あの場所に行ってみた。
あの瑠璃色の海と空を見て、お前の事だけを想い続けると誓おう。
そう思って行ってみると。
そこに行って、驚いた。
お前はまだ、そこに居たんだ。
初めて会った時みたいに、お前は寝てた。
しかも、目尻には涙を浮かべて。
また、あの恋人と何かあったのかと思って俺は。
気が付くとお前の涙を指で拭っていた。
どうしようか。
このままここに居てはいけない。
お前が起きる前に、ここを去らないといけない。
そう、思うのに。
お前を一人置いてここを去るわけにはいかなかった。
どうしようかとお前の顔を見つめていると――
「ん……」
お前が目を、覚ました。
どうしようかと俺が動揺していると。
「――これ、夢だ」
お前はそう言った。
「夢?」
「だって人魚、水着じゃないじゃん」
そう言われて、初めて気付く。
あの時は泳ぎに来て、休憩のためにここに寄ってたから。
いつも水着姿だった。
でも今日は普通に服着てるから、そう思ったんだろ。
――つーか、やっぱり俺は人魚なのか。
「どうしたの? 人間に生まれ変わってきたの?」
「――最初から、人魚じゃねぇって言ってるだろ」
「嘘。だって、僕の前から消えた。まるで泡みたいに」
「それは――」
「人魚みたいに、僕の幸せを祈って消えた」
「――――」
「僕、あれからずっと待ってたんだよ」
「――――」
俺は、何も言えなかった。
その代わりに、ただ強く思う。
お前がずっとここで待ってた理由が、俺のためだと良いと。
俺と一緒に居たいから、待ってたって。
お前の口から聞きたい。
「でも、とりあえずさ。これだけ――いい?」
「――なんだよ?」
その瞬間。
固い鞄が突然俺の顔面に襲って来て。
俺はそれをかわせられず。
「がっ!」
モロにお前からの攻撃を食らった。
「なんで急に居なくなったんだよ!! どれだけ僕、ここで待ったと思ってるんだよ!! あれからずっと、待って…たん…だからぁ……」
そう言ってお前は、泣き出してしまった。
「あんなの、全然嬉しくなんかない! だって、僕……人魚が好きだって気付いたからぁ……。だから、あの日からずっと、待ってたん……だからぁ……」
そう言って、まるで子供みたいに何回も鞄で俺の頭を殴り付けて来る。
なんだコレ。
これこそ夢か?
「なぁ、聞いてもいいか?」
「なぁに…?」
鼻を啜って言うお前に俺は確認する。
「これ、夢じゃないよな?」
「ばかぁ!!」
そう言って、渾身の一撃を。
いや、夢としか思えない。
あの日お前は、恋人の事が好きだって言って泣いたんだ。
それから俺の事を好きだと、思えるか?
あんな風に泣かれたら、俺の事なんかなんとも思ってないって思うだろ普通は。
思ってるなら、あんな事言うわけないだろ普通は。
「――本当に、俺の事好きだって…言ってくれるのか? 本当に、そう思ってくれてるのか…?」
俺がまたそう確認すると。
お前はボロボロ泣き出して。
俺に抱き付いて来た。
「人魚が好きなんだよぉ…。人魚じゃないと、ダメなんだよ……」
それを聞いて、安心した。
この温もりだって、夢じゃない。
嗚呼、俺は――
こうなる事をずっと願ってたんだ。
俺はお前を抱き締め返して。
「ごめんな。俺も、お前が好きだよ。だから、ごめんな……」
「もう、消えないでよ。泡になんか、ならないで」
「――なってない。なってないから、ここにいるんだろ?」
「本当に、もう居なくならない?」
「約束する。もうお前を離しやしない」
そう言って俺は、お前にキスをする。
それは、誓いのキス。
お前と出会った、この幻想的な場所で。
瑠璃色の海と空。
美しい星々と満月の中。
静かな波の音が聞こえる世界で。
お前を離さないと約束する。
もしも、お伽話の人魚に続きがあるならば。
今度生まれ変わった時は人間に産まれて。
王子様と結ばれれば良いと、俺は願う。
俺達が、そうなったように――




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プロフィール

久遠瑠璃子

Author:久遠瑠璃子
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久遠瑠璃子 性別女
誕生日 9月17日 乙女座 O型
年令 16才
出身地 広島県福山市
趣味 アニメ観賞(アニメオタク 声優オタク) 読書
好きなアニメ 銀魂 金魂
好きな声優 杉田智和様 中村悠一様
好きな番組 東京エンカウント
好きなラジオ 杉田智和のアニゲラ!ディドゥーン
 どうも、初めましての方もお久しぶりの方もおはようございます、こんにちは、こんばんは。
久遠瑠璃子です。
私のプロフィールを書かせてもらいました。
驚きましたか?
そうなんです。実は私高校生です。
ガチで小説家を目指しています。
この青春スクエアを大きくして小説家デビューしたいと思っております。
そして基本的に私はオタクです。
杉田智和様と中村悠一様の出ているアニメは大抵見ています。
最近では金魂に思いっきりはまっています。
しかもプロフィールには杉田智和様と中村悠一様関係の事しか書いてませんねww
それほどに好きなんです。
あ、後――青春スクエアを見て気に入ったな、また来たいなと思ったら↓をクリックしてみてください

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