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名も無き物語

短編 ・・・・・・ラーメン、食うか?

 ←短編 寒いある日の事 →短編 痛くて、痛くて。
お前と初めて逢った時の事、絶対忘れる事出来ないんだけど。
特にお前と初めて言葉を交わした時だよ。
「初めまして。ああ、返事は全部しりとりでヨロシクぅ。あ、ルールはさ〝ん〟さえ付かなきゃ何言ってもいいからさ。って、事でヨロシクな。中村」
ら?
らって、らでなんか挨拶出来るか?
――思い付かないんだけど。
これ、どうすればいい?
なんか言っとけばいいわけ?
ら?
もういいや、自己紹介とか挨拶とか。
てか、なんでしりとり?
なんか、すごい早く言えって目で訴えてるんだけど。
いやだからさ。
いきなりらってさ、レベル高くない?
それよりもなんでしりとり?
――ああ、わかったよ。
言えばいいんだろ!?
「――ラーメン、食わないか?」
それが、俺とお前の初めて交わした言葉。
いや、だからね。
なんでしりとりなんだよ!
しかも俺のしりとりの返答を聞いてお前は大笑いして――
「完全にツボ入った! いいぜ、食いに行こう」
それから、俺達はラーメン屋に行って一緒にラーメンを食った。
いや、自分でも思うけどなんでラーメン?
笑いながら自分で何回も言うよ。
なんで、ラーメンなの?俺さ。
思い付かなくて、浮かんだのがそのワード。
俺、可笑しくないよな?
可笑しいのは、あいつだろ。
なんでしりとりなんだよ。
しかも始めたら三時間以上はやるし。
――そりゃあ俺だってネタ切れるよ。
だってあいつ、俺の名前ばっか呼ぶんだから仕方ないだろ!?
何回もらが回って来るんだよ!
ラーメンしか思い付かないんだよ!
でも、なんか大抵は俺達しりとりやってるな。
「中村、しりとりしようぜ。お前の名前からな。じゃ、〝ち〟から」
「なんで俺からだよ。お前からしろ」
「お前から」
「お前からだろ」
「お前」
「いや、お前だ」
「いいからしろって」
「あ~~~!!! わかったやってやるよ!!」
「ち、だからな」
「ちっ」
「それで返すの!?」
笑いながら、お前は言う。
いいだろ、別になんでも有りのしりとりなんだろ?
「力出るんだよな、お前見てると」
「とりあえず、黙ってろ馬鹿」
「考え事してるお前とかマジで好き」
「気色悪い」
「いい加減さ、俺にデレデレしてくんないの?」
「のんきな馬鹿が。誰がするか」
「可愛いだろうな、デレるお前って」
「天国に行って来い。頼むから」
いつも俺に出す〝ら〟を、お前に返してみる。
さて、お前はどう返すんだ?
聞いてやろうじゃないか。
「ランデブーするなら、お前とがいい」
ら、ランデブーだとっ!!?
お前、本当にしりとりのレベル高いなおい!
くっそ、気を取り直して……。
「嫌だ。お前一人で逝け」
「ケチだなぁ。ま、そんなお前が好きなんだけど」
「どっかに逝って来い。二度と帰ってくるな」
「中村……」
来た。
〝ら〟かよ。
つーかお前、迷う事なくランデブーで返すってなんだよ。
俺は迷うぞ。
ラーメン以外を今日は言ってやる。
言って――
おい、視線がうるさい。
早く言えって顔するな。
早く言えって目で合図するな。
「――ラーメンでも、食べるか?」
そう言うとやっぱりお前は大笑いする。
いや、思い付かないんだよ!!
お前のレベルに合わせられないんだよ!!
少しはレベル下げろ!
「可愛いなぁ、お前」
笑いながら、お前はそう言う。
ムカつくな、こいつ本当に。
ムカつくからマジでラーメン作ってやる。
袋ラーメンでいいだろうが。
カップ麺は俺が食うから。
「えらい馬鹿みたいだな、お前の頭は」
「ハハハハっ。ラーメンしか思い付かないお前に言われたかねーよ」
笑いながら、しりとりで会話してんじゃねーよ!!
嗚呼、本当にムカつくなおい。
お前のラーメンにタバスコでも入れてやろうか。
よし、入れてやろう。
「良くねぇよ。なんで俺に〝ら〟ばっかり回すんだ」
「だって、お前のラーメン食いたいしラーメンって言葉聞きたいし」
「知るか。馬鹿」
「可愛いなぁ本当に。いや、でもさ――なんでマジでラーメンなの? 何? お前ラーメン屋なわけ?」
「蹴り飛ばしてやろうか。ムカつくから」
よし、また〝ら〟を回してやったぞ。
俺のように苦しめこの野郎。
お前もラーメンって言えよ。
その時は笑ってやるから。
「――ラーメン、お前それ吹いてない?」
笑ってやろうとした時――
お前の言う通りにラーメンが吹き零れていた。
ああっ!!
そう言いそうになるのをなんとか堪えてしりとりを続ける。
「言うのやめないか? もうしりとりさ」
「さっさと食おうぜ。伸びないうちにさ」
〝さ〟をそのまま返しやがったなこの野郎。
ムカつくからやっぱりタバスコ入れてやる。
それで強制的にしりとりをやめさせてやる。
「さ、出来たぞ」
「象さん、なんかこれ赤くない?」
「いや、そんな事はない。つーか象さんってなんだ」
「だってこれ……お前なんか入れてない?」
「入れてない。だから食え」
「えぇ~~」
――なんだろう。
なんでこんなにもさ。
俺達のしりとりって会話になってるんだろう。
自然過ぎて自分でも少し怖いと思うんだけど。
お前に箸を手渡して、しりとりを続ける。
「え~、じゃない。いいから食えよな」
「中村……」
くそ、またかよ!
「ラーメン、せっかく作ったんだからよ」
おい、笑ってんじゃねぇよ。
いいから食えって。
あ、俺の分作るの忘れてた。
ま、いいか。
別に俺腹減ってないし。
「よし、じゃいっただっきま~す!」
そう言ってお前は俺の特性タバスコ入りしょうゆラーメンを食べる。
さぁ、もうしりとりは終わりだな。
最後に言ってやろう。
「少しも残さず食え。残したらぶっ殺す」
そしてお前はラーメンを食った。
その瞬間。
顔を真っ赤にして俺を睨みつける。
その姿を見て俺は大笑いする。
俺に〝ら〟ばっか回す罰だ。
「す、す――スパイス効きすぎだろうがァァァァァァァァァ!!!!!辛ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
そう叫んで、お前はキッチンへと飛んでいく。
ちっ、それでもやめないのかよ。
いや、ある意味凄いよお前。
なんでそんな状況でもしりとり続けるのかよ。
「え、辛かった? 気のせいじゃない?」
「い~や!! お前、さっきなんか手に取ってたと思ったけどタバスコかよ!!」
「良かったじゃないか。お前好みの味で」
「でァァァァァァ!!!殺す気かァァァァァァ!!!」
「――あのさ、もうしりとりやめない?」
「嫌だ!!」
「だからなんでだよ。ガキかお前は」
お前はコップに注いだ水を勢い良く全部飲み干して口を開く。
いや、俺マジでもうそろそろやめたいんだけど。
「……はっ、あ~死ぬかと思った……。いや、やめたくない理由があるんだけど…」
「どうしてだよ。つーかすぐに言え」
「――ええんか? 言っても」
なんで急に関西弁?
そう突っ込み入れたかったけど、なんでも有りなしりとりだからそこは無視するとして。
「もう、早くやめたいから言え。俺疲れたからな」
もう、なんでもいいからやめるか。
そうだ、〝ん〟が付けば終わるのか。
じゃあ次の番で〝ん〟が付く言葉を言うか。
また〝な〟だから、お前は絶対に俺の名前呼ぶだろうから。
その時はラーメンって言えばいいな。
「中村。俺、お前の事が好きだ」
――え?
え、今こいつ――何言った?
お前は真剣に俺を見つめて、俺の返事を待つ。
え、これってさ……。
しりとりで答えないといけないの?
俺の聞こえた語尾から返事すればいいの?
だ?
だでどうやって答えろってんだよ?
いや、それよりこいつ。今なんで言った?
「――俺、本気で言ってるから」
続けて言って言葉が変わったのは嬉しいんだけど。
また〝ら〟じゃん。
俺、いつものしか言えないよ?
「――ラーメン、伸びるぞぉ?」
「俺は本気なんだって! 本気でお前が好きなんだよ!」
「よって、お前…何言ってんだ…?」
「だから、お前は好き!」
――なんだこれ。
何言ってんだ、こいつ。
ふざけてないみたいだけど。
こいつ、馬鹿だろ。
いや、ラーメンしか思い付かない俺が言うのもなんだけど。
「――気色悪いな!!」
「中村、否定しないでくれ! お願いだから、俺を否定しないで!」
「デタラメ言ってんじゃねーぞ! ふざけるな!」
「中村、こんな事言って悪いって思ってる! 思ってるけど――」
そこで、お前は言葉を止める。
しりとり、もうやめるぞ。
俺はこんな状況じゃもうしりとりなんて出来ないから。
あれ、でも今まで出来てたな。
これって、反射的にか?
それ、重症じゃねーか?
「どうしても、お前に告白する時は――しりとりで告白したかったんだ。お前と初めて会話した時って、しりとりだったから。お前がラーメンって言った、あの時から俺、お前の事――」
馬鹿じゃ、ねーの?
いや、俺も馬鹿か。
ラーメンだからな。
でも、泣きながらそう言うお前を見て。
お前を家から追い出そうとは思えなくて。
さっきまでは追い出してやろうとしてたんだけど。
そんなお前が、なんかわかんないけど愛しく思えて。
俺は、今自分の想いにようやく気付く。
――――
じゃあ、この場合って俺もしりとりで返せばいいのか?
「――とりあえず、俺の作ったラーメン食え」
「え……?」
「え、じゃねぇよ。もうこれ伸びてるだろ。ふざけるな」
「中村…?」
「ラーメン、食わないか?――俺だってそう言ったあの日から、お前の事が好きなんだよ。だから、俺達は同じなんだな」
少し顔を赤くして、顔を背けて俺はそう言う。
するとお前は俺に抱き付いて来て――
「中村、俺――お前が好きだ」
「だから、俺もそうだって言ってるだろう」
「嬉し過ぎて、俺……。死にそうだ」
死なれたら、困るな。
まぁ、なんだ。
「だったら、まずはラーメン……食ってからだな」
「中村……」
「ラーメンでここまで凄い事になるなんて思ってなかったけど、そこはこのラーメンに感謝しないとな。それと、砂糖めっちゃ入れるから食ってくれ。タバスコ入れてごめん」
そこで、俺とお前のしりとりは終わり。
でも俺達はこのまま一緒に居て。
何時までもずっと言ってるんだろうな、しりとりを。
馬鹿みたいに、何時までも。
それでお前が俺の名前を呼ぶ度に俺は――
ラーメンばっかり言うんだろうな。




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~ Comment ~

やだ、可愛いじゃないですかwww

何ですか、この二人は!!可愛すぎるでしょう!!
中村、お前なんなの?何でそんなにラーメン!ww
ラーメン屋ですね、分かります!!
しりとりで始まって、しりとりで終わらす。
なにもかもしりとりで進めたいって。
可愛いですね、青春・・・。
あの、まどろっこしい感じの。
あの、遠回りな感じがツボでした。
最初の中村のしりとりが、ツボに入ったのは私もデス。
可愛かったです、この二人。
ラーメン、美味しいですものね。
つい、出ちゃいますよね。ちなみに私は塩派です。
本当にお気に入りになった二人です。
愛らしくて愉しい青春、ごちそうさまでした。
また、出没しますね!おじゃましましたww

Re: コメントありがとうございます!

可愛い!ww
可愛いってさ中村と杉――
ああ、名前は伏せるのね?w
中村だけOKなのね?ww
わかりましたw
中村、お前馬鹿なの?ww
はい、書きながら私も思いましたねww
なんでお前、ラーメンしか思い付かないの?wってねww
はい、しりとりですからねw
しりとりから始まってしりとりで終わるw
だってこの二人からしりとり抜いたら、何も残りませんからw
はい、私も最初笑いましたww
自分で書いて自分で笑いましたからww
杉t――
いえ、数田智杉さんのランデブーでの返しの中村の反応なんて最高でしたねww
あれ、これって大丈夫かな?ww
ま、いいかwww
はい!w
私も気に入っていますこのしりとり馬鹿はwww
良かったら、また出そうかなと思っていますww
今度はバカップル編かな?
え、続編出るの・・・?ww
まぁ、そんな感じですかねww
はい、また来てくださいね。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

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