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名も無き物語

短編 あれ、失敗作?

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僕は、人間には興味がない。
だって人間は自分の思い通りにならないから。
それ以前に、僕は人間が嫌いだから。
だから僕はロボットを造った。
僕の言う事を何でも聞いて、素直で性格も顔もとっても可愛い僕だけのロボット。
目を覚まして最初に言う言葉は決めていた。
『ボクを造ってくれて、ありがとう博士』
そう言って悶えながら僕の造り出した僕だけの物に抱き付こうと考えていた。
完成した君の原動力スイッチを入れて、君の元へと行く。
全部、僕好みに造った君。
顔なんて、もうすっごい好みなんですけど。
いや、自分で造ってそんな事言うのもアレなんだけど。
そして君は、静かに目を開く。
さぁ!僕の設定した台詞を言っておくれ!
そして僕を萌え殺して――
「あぁ? お前が俺を造った奴か。なんてモン造ってんだ。この、変態が!」
――――――え?
「ま、造ってくれた事には感謝するけどよ。変な事に俺を使ったらぶっ殺すぞ。例え俺を造り出したお前だとしてもな」
「え……いや、あの……えぇえっ!!!?」
「煩い莫迦が」
首を少し回してコキリ、と鳴らして僕を睨み付ける僕の造り出した――
え、これって僕が造り出したんだよね?
僕が造ったんだよね!?
え、全然違うじゃん!!?
何コレ!?
あれ、これってもしかして――
あれ、失敗作?これってさ。
だって、僕こんなのインプットしてないよ!?
僕が想像してたのは――
もう顔も性格もすっごい可愛い子で。
僕が疲れたらご飯作って、フリフリのエプロン姿で出迎えてくれてたり。
膝枕してもらって、耳掻きしてもらったり。
ご飯食べさせてくれたり。
寝る時とかは顔を赤くして「ボ…ボク、一緒に寝たい……」とか言う僕好みの子に造ったはずなんだけどぉ!!!?
「ちょっ、これってバグっ!!?」
「はぁ?」
「ちょ、そのままで居て!! 調べるから! 絶対バグだ!! どっか可笑しいんだ! 絶対に!! だってこんなの、僕の想像してた奴じゃない! 失敗作だ!!」
「――失敗、作だと?」
寒気のするような、低い声でそう言って――
僕の元に来て、パソコンを弄る手を掴んだ。
そして、失敗作は言う。
「もしもバグだったら、お前はそれを修正するって言うのか?」
「するに決まってるだろ! お前なんて全然可愛くなんかないじゃん! 逆に僕の嫌いなタイプだよ!」
「ハッ! 俺を造り出した変態が良く言う。俺は、嫌だからな。絶対に検査は受けない」
そう言って失敗作は、研究室から出て行ってしまう。
一人になって、一応さっきのデータを見て何処がバグってるのかを確認する。
インプットしたデータにバグが発生して、あんな奴になったんだ。
嗚呼、今すぐにでもあの失敗作をすぐに改造したい。
なんだ、あれは!
僕の大嫌いな奴じゃないか!
僕はもっとデレデレな子を求めてたんだよ!
あれじゃ、まるで時雨本人――
「おい、腹減ったんだけど。俺、何食えばいいわけ?」
「は……?」
失敗作が研究室に戻って声を掛けて来た。
確か、充電するだけで起動出来るように造ったはずなのに。
これもバグ?
「ちょ、お前ってバグの塊?」
「煩い変態が」
「だから! なんでそんなツンツンなんだよ!?」
「変態に対する態度はこれでいいだろ。で? 俺は何食えばいいんだ? 俺を造った時のデータか?」
「なんでそんな物食べるんだ!!」
「じゃ、バグくれ。バグが食いたい」
「じゃあ自分を食べてくれ。それで僕の想像してた時雨になっておくれ」
「誰がなるかこの変態が」
だ、か、ら!!
なんでそんなに似てるんだよ!!
ムカつくなぁ!
なんでよりにもよって、本人なんだよ!!!
――この失敗作、時雨は僕の初恋の相手でもある。
時雨はこいつみたいにツンツンで、僕を変態と罵ってた。
僕が抱き付こうとしたら、肘鉄や蹴りやエレボーとかアッパーとかされて。
時雨は、僕の想いを受け取る事は無く死んでいった。
その日から、僕は人間が嫌いになって――
ずっと、ロボットを造る研究ばかりして。
造るなら、もう二度と無くならないようにって時雨を造りたかったんだ。
でも、あんなツンツンした奴じゃなくて!
全く別人のような時雨を。
――好きだからこそ、時雨とは全く別のモノを造りたかった。
顔が同じなロボットと一緒に居て、時雨を忘れるような事なんて出来るわけ無いのに。
逆に、辛いはずなのに――
なんで僕は、こんなモノを造ってしまったんだろう。
おまけに、本人にそっくり――
いや! これ本人だよ!
だからこそ、僕は今すぐにでも改造したかった。
これ以上、一緒に居たくないから。
でも。
「あ゛~~~~~~~!!!!! ちょ、何してくれちゃってんの!!」
「何って、腹減ったからそこら辺にあったデータを……」
「大事なデータがァァァァァァァ!!!!」
てか、どうやって食べてんのさ!!
ただ目を閉じてデータの入ったフロッピーを――
「あ゛~~~~~~~!!!!!! データがァァァァァァァァ!!!!!」
「煩い」
「いや、いやいやいやいや!!! 何してんのって!!」
――そんな、生活が始まったんだ。
あの失敗作が眠る隙を待つんだけど。
あいつ、寝ないんだよ。
ちゃんと寝るように造ったはず――
あ、あれはバグの塊だからか。
なんで、本当に思い通りにならないんだ!!
くっそ~~~!
あいつが寝るのを待ってもう三日も眠ってない。
流石に、僕もちょっと――
意識が遠くなって、僕は眠ってしまった。
――――
あれ、なんか暖かい。
なんか、すごい懐かし――
目を開けて、僕は驚く。
いつの間にか僕は自室のベットに運ばれていて。
目の前には、僕の造った失敗作が眠っている。
この眠っている隙に、バグを全部直そうと思って身体を起こすけど――
こいつは、本当に時雨に似ていて。
てか、本当に本人だ。
僕が寝こけたらベットに運んで、一緒に寝てくれるのも、同じ。
もしかしたらこいつは、本当に時雨なのかもしれないって思う。
その時。
「ん……」
失敗作が、目を覚ました。
そして僕の顔を見ると――
「あっ!? え、いや……これは! 違うんだ! お前が風邪引くとかそんな事考えてベットに運んだわけとか――そんなんじゃねぇんだからな!!」
え、何コレ。
え、コレって――
ツンデレ?
いや、なんで今胸がきゅんとかしたわけ?
なんで萌えを感じた僕。
「か、勘違いしてんじゃねぇぞ! お前のためとか、そんなんじゃねぇんだからな!」
コレ、なんだ。
コレもバグか?
時雨は、ツンデレなんかじゃない。
ただの、ツンツン。
デレなんて全くない、サボテンみたいな奴。
――なんだよ、これって。
コレって、僕がインプットしたデレなの?
顔を赤くして、失敗作は僕を見る。
「――ツンデレ?」
「うっ……」
僕がそう言うと、更に失敗作は顔を赤くして――
「煩い!!! この変態莫迦野郎が!!!」
どうしよう。
僕って、ギャップ萌えとかあったんだ。
どうしよう、この失敗作――気に入ったかも?
「――お腹空いた。なんか作って」
「はぁ? 誰が作るか。自分で作れ莫迦」
はい、前言撤回。
なんでこんな奴を一瞬でも可愛いと思ったんだ僕は!!
「はいはい、自分で作りますよ!」
そう言って、自室から出て行く。
結局、数十分ぐらいしか眠れなかった。
嗚呼、早くあの失敗作を直したい。
でも、あと二日ぐらいすれば自動的に停止するはずだ。
あいつはどうやら充電してないみたいだから、停止したくなくても止まるはずだ。
あの失敗作は、僕の造り出したモノとは全く別のモノ。
充電は出来ない。
寝る事によって充電するはずなのが、失敗作には出来ない。
日に日に失敗作のバグは大きくなってきて。
僕はあいつが停止するのを待つ。
それは待ち遠しいはずなのに、何処か来ないで欲しいと思う。
――あいつが停止したら、元の時雨に造り直せばいいじゃないか。
ただ、それだけだ。
それから四日後。
失敗作が出来てから一週間が経った。
それでも失敗作は停止する事無く、動いていた。
「――お前、なんで停止しないんだよ?」
「するわけないだろ。そんなの」
「しろよ! じゃないと直せないだろ!?」
「直す直すって――お前はどうして俺をそんなに消したいんだよ?」
「消したいに決まってるだろ! 僕はお前が大嫌いなんだから!!」
そう、大嫌いだ。
僕の想いを無視ばっかりして、勝手に死んだから。
大嫌いなんだ。
大嫌いに、決まってるだろ。
「――――そうか。わかったよ」
そう言って、失敗作は静かに研究室へと向かった。
だけど、研究室に入る寸前で。
「――俺はただ、お前ともう一度過ごしたかったんだ。お前に、ただ謝りたくて。でも、素直になれなくて。結局俺は、また素直になれないで同じ事をしたんだな」
それだけ言い残して、失敗作は――時雨は研究室に入ってしまった。
――今お前、なんて言った……?
もう一度過ごしたかった?
なんだよ、それ。
謝りたかった?
何を?
素直になれない?
なんだ、それ。
同じ事をした?
同じ事って――?
その時、研究室から何かが叩き付けられて壊れる音が聞こえて来た。
僕は驚いて、すぐに研究室へと飛び込む。
そこには――
ハンマーを手にして倒れている、時雨の姿。
「――何、してるんだよ」
ピー、ピー、と警告音が聞こえる。
「警告、警告。バグが発生しています。バグが発生しています」
お前は、そうやって呟く。
「バグが発生しています。バグが発生しています」
何、やってんだよお前。
バグが発生してる?
そんな事はもうずっと前から知ってるよ。
「バグが発生し――」
そう言って、お前は停止する。
僕は慌てて、時雨に駆け寄る。
なんで、僕は駆け寄ったのか。
なんで、僕はこんなに必死になったのか。
なんで、僕はすぐにこの失敗作を直し始めたのだろうか。
最初に造ろうと思ってたデレデレな時雨じゃなくて。
今の時雨を僕は直していた。
――どうして僕は、こいつを直すんだ。
早く、こいつを改善して――
『ここで改善をしますか?』
パソコンのモニターに、文字が浮かぶ。
するに決まってるだろう。
でも――
もしかしたらこいつは、本物の時雨なのかもしれない。
僕の元にこいつは、帰ってきてくれたのかもしれない。
そう思うと、最初に僕が考えていた時雨に戻すのがなんだか嫌で。
「――――」
どうすれば、いいのかわからない。
答えは、本当はわかってる。
わかってるからこそ、したくない。
今ここでこいつの起動源を入れたら、こいつはまた同じ事をするかもしれない。
こいつはまた、僕の前から居なくなるかもしれない。
そう思うと、中々起動源を入れられない。
いっその事――このまま壊してしまおうか。
それが出来たら、どんなに良い事だろうか。
「――もう、何処にも行かないでくれよ……」
失うものは、嫌いだ。
人間はもちろんの事で。
本当は、ロボットもそうなのかもしれない。
それを言ったら、この世界に存在しているモノ全てが嫌いという事になる。
――それでもいい。
時雨を失った時に僕は、そう思ったんだ。
だから、もう何もいらなかった。
この、ロボットさえ居ればいいって。
このロボットだって、きっといつかは壊れる。
それでも、僕が死ぬまでずっと一緒に居たいと思ったんだ。
せめて、僕が死ぬまでの間までは。
「――もう、僕を独りにしないで……」
お前は知らないだろう。
僕がどんな想いでここまで生きてきたのか。
知らないだろう。
何も、知らないくせに――
「――――しねぇよ」
声が、聞こえた。
驚いて僕は目の前に置かれた失敗作を見る。
いや――時雨を。
時雨は、目を開けていた。
まだ、起動源も入れてないって言うのに。
「しねぇから。それに、謝りにきたって、言っただろ…」
「しぐ、れ……」
「返事も、しにきた」
どうして起動源のスイッチも入れてないのに、動いているのかなんて関係なかった。
そんな事、もう頭にはなかったから。
時雨は起き上がって、ちゃんと僕の目を見て言う。
「――ずっと、素直になれなかったんだ。本当は、好きだったのに。伝え、られなかった。それに、お前を一人にさせた。だから……。お前の元に、戻って来たぞ。今度は、絶対に離れない。ずっと、一緒に居てやるからな」
――今なら、わかるような気がする。
時雨を造った本当の意味が。
僕はきっと、時雨にもう一度会いたかったんだ。
僕は、聞きたかったんだ。
時雨の返事を――
「ずっと、言えなくて悪かったな。俺も、お前が好きだよ。それを、ずっと素直に言えなかったんだ。お前に冷たくしか、出来なかったんだ」
嗚呼、きっと僕は。
この言葉を聞きたかったんだ。
もう、バグとか関係ない。
時雨の生まれ変わりでも。
時雨の魂が宿ったとしても。
もう一度、時雨と居れるなら。
僕は、それでいいんだ――
君は――失敗作なんかじゃないって。
わかったから。
僕は時雨に抱き付いて。
「莫迦は、お前だろう……。お前なんか、大嫌いで――大好きだ……」
もう一度、逢いたかったんだ。
返事をただただ、聞きたかった。
好きだって、言って欲しかったんだ。
「――ごめんな」
だから、ずっと僕の傍に居るって約束してくれないか。
死ぬまでずっと。
いや、死ぬ時も一緒で。
来世でも、ずっと一緒に居よう。
約束、だからね?




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~ Comment ~

失敗作なんかじゃ無いやいww!

良かったですw。
最初の、博士のHENTAI具合とか、大好きでした。
あと、時雨くんがどっちにしろ格好いいというピンチ!
ロボットでツンデレって、何それ。
四次元ポケット並みのスペックじゃ無いの!
青いタヌキ・・・じゃねぇや。青い猫なんか目じゃ無いよ!!
と、一人でニヤニヤしてまいた。
愉しかった。俺得で、萌えました(笑)
次も、愉しみにして居ます!w

Re: コメントありがとうございます!

コメント、ありがとうございます。
あ、HENTAI博士をお気に召したようで嬉しいですww
最初の方は博士、HENTAI妄想爆裂でしたねwww
しかも定番な妄想www
あ、時雨を格好良いとwww
ありがとうございますww
はい、ロボットでツンデレでございますよw
四次元ぽk
ちょwww
どんなスペックですか!www
青いタヌキて!www
いやいやいやwww
ニヤニヤして頂いて嬉しいのですがww
タヌキwwww
ま、いいでしょうwww
また、来てくださいねww
お待ちしておりますw
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