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名も無き物語

短編 お前に、何をしてやれるだろうか

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俺は一体。
お前に何をしてやれるだろうか。
俺は、多分あと四年くらいしかお前の傍には居てやれない。
お前は四年後、お前が心の底から愛しいと想う相手の元へ行く。
多分、その頃に俺はこの世の中から消える。
だから、俺は今お前のために何をしてやれるか。
必死に考える。
きっと、お前は俺が居なくてもやっていけると思うから。
だから、俺がお前にしてやれる事なんて多分ない。
何もないと思うと、悲しくなるから。
俺は、せめて何かを残したい。
その何かは――
俺の、生きた証を残したい。
俺の存在を、残しておいて欲しいんだ。
別に、お前に俺の存在を忘れられたってもいい。
それでもいいから。
俺は、俺の存在を残したい。
誰かに、俺がここに居た事を知って欲しいから。
だから、俺はここに。
俺の生きた証を綴っていく。
お前への想いとか。
お前のこれからの事とか。
残していってやるよ。
お前が、出来るだけ泣かないように。
それでも、少しでもお前は涙を見せるんだろうけど。
でも、俺が見てきた量の涙はきっと流さないだろうから。
とりあえず、お前の想い人から話していくか。
お前はこれから、その想い人に逢う為ならきっとどんな事だってする。
無理して、倒れそうになってもお前はそれを顔には出さなくて。
お前は、気丈に振舞って。
いつも「大丈夫だから」って言って。
倒れるから。
お前の大丈夫は、全然大丈夫じゃない事。
俺は知ってる。
大切な人から予定をキャンセルされた時とか。
大丈夫、心配しないで。
――知ってるよ。
そう言ってお前が泣いてる事。
膝を抱えて、泣いてる事。
お前はいつも。
そういう時は無駄に聞き訳がいい。
お前は絶対に、我が儘を言わない。
本当は予定がキャンセルさせられるのとか、嫌なくせに。
それが一番、嫌なくせに。
嫌だって、一言も言わないんだお前は。
お前は誰にも言わないけど。
俺は知ってる。
多分、俺だけが知ってる。
お前は凄く人に嫌われるのを怖がってる。
だから、嫌われないように良い子を演じる。
いつだってお前は他人に愛想を振りまいて。
人に絶対に嫌な印象を与えなくて。
人に好かれるようにする。
でもお前は不器用だから。
本当の自分の想いをちゃんと相手に伝える事が出来ないから。
相手の嫌がる事をお前は言えないから。
お前は、いつも一人になって。
一人で、泣いたりするんだ。
だから、なんだろ……?
今出来た、大切な人を失いたくないからお前は。
当たって砕ける勢いで、自分の想いを素直に相手にぶつけてるんだろ?
なんでも、自分の想いを隠さずに言えば。
お前の想いは絶対に、通じるから。
相手に届くから。
とにかくお前は、素直になってみろ。
――俺が言った事を、やってるんだろ?
お前はさ。
すごく優しくて。
すごく相手の事を思える人で。
すごく可愛くて。
すごく泣き虫で。
すごく強くて。
すごく、真っ直ぐな奴で。
意外と、負けず嫌いで。
実は意地っ張り。
喧嘩した時なんか。
絶対に謝って来ない。
だから、いつも俺が折れてばっかりで。
いつも先制攻撃してくるくせに。
なんにも戦う策なんて作ってなくて。
とにかく、お前は泣く。
何がしたいんだって、俺はいつもそう思って。
そんなお前が、大好きだ。
心の底から、愛してるんだ。
でもお前は。
俺の事なんて放って。
俺なんかよりもっと大切に想ってる人の元へ行く。
それが、悲しくてな。
ずっと、俺だけのものだったはずなのに。
ずっと、俺の傍に居てくれると思ってたのに。
でも、本当はこうなる事を知ってた。
お前には俺なんかよりずっと大切な人が出来て。
俺の腕の中から、すり抜けてそいつの元に行くんだって。
知ってた、はずなのに。
わかってた、はずなのに――
「四年後、恋人に逢いに行く。すっごいバイトして金貯めて、その人と暮らす」
そう言われて。
ああ、もうそんな時期が来たのかって思った。
お前が俺から、離れる日が来るんだって。
正直言って、嫌だ。
お前を手放したくなんかない。
消えたりなんか、したくない。
でも、お前がその想い人と逢った時。
俺は多分、この世から消えるんだ。
俺が消えたら、どうなるかはわかんない。
でも、これだけはわかる。
お前はきっと。
――いや、絶対に。
お前が愛した人と、幸せに笑って過ごして。
お前が愛した人は、お前を凄く大切にしてくれて。
お前が愛した人は、俺なんかよりもずっとお前を愛するんだって。
お前は、俺と居るよりもそいつの元に行って幸せな人生を過ごして欲しいんだ。
俺にはお前を笑わせる事は出来ないから。
俺には、お前を泣かせる事しか出来ないと思うから。
だからな。
幸せに、なれよ。
本当は、そいつの元へなんか行かせたくねぇよ。
でも、それが一番お前のためだから。
俺なんてどうせ。
四年以上なんてきっと生きられないから。
だから、俺は笑ってお前を送り出してやりたい。
その時になったら泣くかもしれないけど。
それで、お前の想い人に逢って。
お前が運命の相手だと言う奴に逢って。
そいつに、俺はお前の全部を教える。
そいつの知らないお前を全部教えて。
こんな奴だから、こいつをよろしく頼む。
そんな親父みたいな事を言って。
そいつが任せろとか言ったら。
俺は、お前の元から消える。
多分、この世界からも。
お前の中に帰るって思ったら。
この死を受け入れられるかもしれない。
でもな。
俺には、その自信が無い。
その時が来たら、ちゃんとお前を見送れるのか。
消える事は出来るのかって。
でも、多分俺の寿命はあと四年くらいだから。
あとは、心の準備が必要なだけなんだ。
この残された四年で。
俺は心の準備をして。
それから――
お前のために、俺は何がしてやれるだろうか……?
多分、お前は一日一日。
まるで別人みたいに強く生まれ変わっていって。
俺の力なんか、必要なくなってきて。
――今だって、俺を頼ってくれなくなったから。
お前はきっと。
俺が居なくても生きていけるだろうけど。
お前は、寂しがり屋だから。
誰かが傍に居ないと、すぐに泣くから。
せめて、お前がその想い人に逢うまでは居てやるよ。
お前の傍に。
だから、それまではいいだろ?
お前の事を想ったって。
愛してるって、言ったって。
お前は、俺なんてもう見てないから。
見てるとしても。
俺の想いは、受け取ってはくれないから。
俺は、それでもいい。
お前に、俺以外の大切な人が出来たなら。
それでいい。
お前はずっと、泣いてきたから。
その想い人と逢うまでずっと。
お前は泣いてたから。
笑うより泣いてる事の方が多かったから。
俺には、お前を笑わせる事が出来ないから。
お前が笑う姿が見られないのがちょっとあれだけど。
お前が幸せに笑うなら、それでいい。
俺には、お前を幸せにする事が出来ないから。
お前がその想い人と一緒に居て、幸せだと想うなら。
失いたくないって強く思うくらいに、相手の事を想ってるなら。
それで、いいんだ。
俺なんかよりも。
お前が心の底から、愛した人と一緒に居ればいいんだ。
お前が選んだ人ならば、一緒に居たいとそう願うのなら。
そうすればいい。
俺は、止めないから。
そいつの元に行って、幸せになればいい。
だからお前の想い人に、逢ったら絶対に言ってやるさ。
俺の大切な奴を奪って行くんだから。
親父みたいだって笑われたってもいい。
いや、むしろするべきなんだ。
俺の恋人を奪うんだから、そいつは。
お互いに支え合ってたのに。
気が付いたら、お前の支えは俺じゃなかったんだから。
だから、逢ったら絶対にそいつに言う。
俺の分も、こいつを幸せにしてやってくれ。
俺の分も、こいつを愛してやってくれ。
俺の分も、こいつを想ってくれ。
こいつを絶対に、手放すんじゃねぇぞ。
こいつを捨てたり手放したりしたら――
すぐにこいつを取り戻しに行くからな。
――なんて。
久しぶりに出来もしない事を言ったりするんだろうな。
俺は。
俺はその日、この世から消えるって言うのに。
でも、わかってるからこそ俺はそう言う。
お前が、その想い人によって幸せな人生を送るから。
だから、俺は言うんだ。
最後にお前に。
幸せになれよ。
お前の事、愛してる。
そう言って、俺は消える。
お前は多分、やっぱり泣くだろうけど。
泣きながら、頷いてくれるんだろうな。
じゃあ、次はどうするかな。
生まれ変わって、またお前に逢いに行くよ。
それで、またお前を愛するよ。
その先も、その更に先も。
何度だって生まれ変わって、お前を愛するためにお前に逢いに行くよ。
だってお前は。
俺だけに愛されるために産まれて来たんだからな。









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~ Comment ~

証、ですね。

お疲れ様です、またお邪魔しました。
読ませて頂いた上で、言わせて頂きますと。
私の中にも確かに、息づいた、アナタが生きた証がしっかりと刻まれたという事を、伝えます。
強く、強く、生きたいと願った想いと、誰よりも愛おしい人を想う、優しい、優しい気持ちを。
言葉にして。文字にして。
しっかりと、私の所まで息づいてきました。
深い、深い愛情は美しく、美しくここにありました。
何よりも、確かな証がここにありました。
とても、美しい世界の中で、しっかりと生きて居ますね。
この先、何があったとしても。
この先、何かあったとしても。
きっとアナタは乗り越えられる。
消えるのでは無い、前へ進む方法をきっと、見付けられる。
そう想わずには居られない、優しい文字たちでした。

願わくばどうか、アナタが生きる事を愉しめます様。
証をもっと、もっとたくさん、綴っていけます様。
ここで、いつも待って居ります。

・・・はい、真面目にコメントしやがったのは、この私です。
m(_ _)m
さーせんwww。
でも、本当に素直な想いが綴られて居たと想います。
このお話、大好きでした。
久遠様の中にある、大切な欠片の文字、精一杯に生きて居ましたもの。・・・アレ、また真面目にシフトチェンジしてしまう(笑)
では、また遊びに来ますねwww。
失礼致します。

Re: コメントありがとうございます!

はい、また来てくれて嬉しいですww
はい、ガチコメですねw
私も、ガチコメで返答しますねww
私もこの話の主人公――まぁ、名無しですけど。
名無しは、生きた証をちゃんと残してますね。
だって、これを読んだ人の心にはちゃんと残るんですから。
ちゃんと証は、残せますね。
と、まぁww
上手く返答出来ないやww
難しい話を書いたもんだなぁwww
はい、ガチコメ嬉しいですw
上手く、コメントの返信が出来てませんがww
大好きになってくれると、嬉しい限りですw
はい、真面目にシフトチェンジしてくださってもOKですw
はい、ではまた来てくださいねw
いつだって、歓迎しますから。
それでは、また来てくださいね~^^
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