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名も無き物語

短編 聖夜の待ち人

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クリスマスイブ。
一人の男性が大切な人を待っている。
その人は友人であり、想い人でもある。
何も知らない男性は、雪の降る聖夜で想い人を待っている――


「なんだよ、行くって言ってからもう一時間も経ってるじゃねーかよ」
一人しかいない部屋で、俺は呟く。
今日はクリスマスイブ。
クリスマスの前夜祭で12年片思いの奴と酒を飲みながら昔話をする日。
『ちょっと寄る所があるから遅くなる』
あいつがそう言ったから俺はあいつが来るまで待つ。
だけど一時間待とうが、二時間待とうが奴は俺の前に現れない。
――なんだよ。あいつの体内時計は狂ってんのか?
一体何時間待たせるつもりだ。
もう少しで三時間が来るぞ。
「――もう知らないからな!来た時に酒全部なくなってても!!」
俺しかいない部屋で、いくら待っても来ない奴に言う。
そしてすぐにテーブルの上に用意していた酒に手を伸ばす。
それから更に酒を飲みながらでも奴が来るのを待つ。
だけど奴は四時間待ってようが、五時間待ってようが、十時間待ってようが――俺の前に姿を現さない。
酔いつぶれて眠った時にはやって来るのに、目が覚めたらいないのにはムカついた。
つーかもうイブが終わってクリスマスの朝になってた。
酔った勢いもあって、俺はすぐに奴の家に向かった。
家で家族とパーティーしてたらぶん殴る――いや、ぶっ殺す気で行った。
でもそこで見たのは――
冷たくなって、目を閉じたお前の姿。
そんなお前の姿を見て一瞬で酔いが冷めた。
「昨日の晩、事故に合って……ほとんど即死だったって…」
――なんだよ、それ。
お前、今から俺の所に行くって、言ってたじゃねーか。
なんで、事故に合ってんだよ…?
なんで、こんなに冷たくなってんだよ…?
なんで、目ぇ閉じたままなんだよ…?
なんで、俺はお前に好きだって言わなかったんだよ…?
――俺は、お前が死んだのは夢か幻かと思ってた。
でも本当はわかってた。
ただ、認めたくなかった。
お前は死んだ。
そんな事、信じたくもなかった。
俺の所に向かう途中で死んだなら尚更だ。
あの電話が――最後だったんだ。
なんで俺、あんな事言ったんだろうか。
『来なかったらぶっ殺すからな』
「――殺す前に死んで、どうすんだよ……」
なんだって、クリスマスイブなんか死んだんだよ?
俺、クリスマスの日にお前に好きだって――言おうとしてたんだぞ。
なんでお前、死んじまったんだよ…?
お前を待ってる間に見た夢が現実だと思いたい。
酒飲みながら昔の馬鹿な話をして、今日は楽しくケーキ食って、いいタイミングで好きだって言いたかった。
なのに――
なんでお前、もう俺の所に帰って来ないんだよ……?



あの日から毎年、クリスマスはイブにする事にした。
予定があっても絶対に家で一人、ワイングラスを二個用意してお前を待つ。
来ないってわかってても、俺が待ちたいんだ。
こうしてずっと待って、酒飲んで寝たら――
夢の中でお前に会えるから。
だから、夢の中でお前に出逢えたらあの日の続きをする。
一緒に酒飲んで、下らない昔話して笑い合って、お前に好きって言う――
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