スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←短編 大好きだったんだ →短編 この、莫迦が
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 名も無き物語
もくじ  3kaku_s_L.png 秘密の物語
もくじ  3kaku_s_L.png 瑠璃子の呟き
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【短編 大好きだったんだ】へ
  • 【短編 この、莫迦が】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

名も無き物語

短編 お前の世界は美しく

 ←短編 大好きだったんだ →短編 この、莫迦が
その日、は知ったんだ。
世界の美しさを。
世界の彩りを。
世界の愉しさを。
お前が全部、教えてくれたんだ。



緋色の夕日が教室を照らす時間。
俺はノートを忘れたから教室に戻った時の事。
俺の忘れたちょっとやばい事が書かれているノートを回収して――
あ、いや……。
あ、あれだよ!
よくあるじゃん!
好きな人が出来たらこんな事したいリスト!
いや、変態なんだけど……。
他人から見たら、すげー気持ち悪いんだけど……。
いや、前に友人がそれやっててすげー気持ち悪かったからさ。
いや、俺だって好きな奴は居るんだ。
居るんだけど――
男、なんだ……。
いや、フラグ立ってるんだけど。
おもっくそ失恋フラグ立ってるけど!
それでも、好きなんだよな……。
男子校での恋って、自分でも思うけど。
イカれてる。
それでも俺は好きで。
あいつの事を好きになったのは、多分新学期の自己紹介で。
すげー大人しくて、綺麗な顔した奴がいた。
それの真後ろに。
そいつはこう言った。
「東中出身、です……。この中で俺に興味を持った人は、絶対に近寄らないでください…。以上……」
そこ、気になるだろ。
俺は振り返ってそいつを見たさ。
いや、ここで見ないでどうするって話だろ。
そこにはえらい美人が、以下略。
ああ、戻るさ。
戻ればいいんだろ!
いや、でもこれが俺とあいつの出逢い。
あいつは自己紹介で、そんな事を言ったんだ。
いや、言いたかったよ俺さ。
ここ、笑うとこ?
そう聞きたかったさ。
一応言っておこうか。
自己紹介でとんでもない事を言う奴は、嵐みたいな奴だ。
いや、荒らしでもあるか。ある意味。
ま、あの自己紹介のせいでお前の周りには誰もいない。
今もう秋だけどさ。
未だにお前クラスメイトから声掛けられないとか――
いや、俺だって掛けられないけどさ。
声を掛けようにも心臓うるさくて喋られないし。
だからその日、初めて俺とお前は喋ったんだ。
喋る事が、出来たんだ。
まぁ、あれだ。
とにかく片思いの奴にどんな事をやるとか、そんなくだらない事を書いたノートを回収して教室から出ようとした時。
椅子で思いっきり足を打って、俺はバランスを崩した。
そして後ろの席のあいつの席へダイビング!
いや、すごい痛かったんだけど。
顎、机で思いっきり打ったんだけど。
しかもあいつの机倒しちゃうし。
ドミノ倒しみたいに机倒れるし。
あ~あ、何やってんだ俺は。
起き上がって机を直そうとした時に、ある物が視界に入った。
「ん…?」
それは、俺の片思いのあいての机の中から零れたノート。
そこには、綺麗な字で文字が並んでいた。
最初は授業をノートに取ったのかと思ってすぐに机の中に入れようとして、手に取って――
そこで気付く。
これ、授業の内容を書き写したノートじゃないって事に。
〝君は、とても愉しそうに笑っていて――嗚呼、君と愉しく話がしたいなぁって思う〟
これ、小説だ。
しかも――
〝僕の一つ前の席に座る君は、とても格好良くて元気で――そんな君が好きだなって思う。この気持ちは、とても暖かくてだけど切ない。ここでは、絶対に気付いちゃいけない想い。嗚呼、僕は君が好きなんだ〟
そんな事を書かれている行を読んで、俺は固まる。
そしてすぐに顔を真っ赤にしてオーバーヒートする。
え、いや…あの…えっ!!!?
いや、これってその……えぇえっ!!?
ヤバイ、ヤバイぞ、これは。
いやいやいやいやいやいやいや……。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!!
ないないないないないない!!!
え、え……えぇぇ!!?
〝僕が君を好きになったのは、なんでもない日の事。俺が階段を踏み外して落ちそうになった時に――君が、助けてくれたんだ。その時から僕は、君が好きになった〟
混乱しながらも、俺はノートを読んでいた。
あいつの書く字はとても綺麗で、それでいて――
優しくて暖かい文章で。
とても素直に書かれているのだとわかる。
とてもストレートな文章と、想い。
やばい……。
何コレ。
俺達って、両思いだったのかよ。
いや、あの時はさ。
俺もストーカーみたいにこいつの後付けてて――
いや、気になるじゃん。
あんな自己紹介する奴とか。
逆に気になるじゃん!
俺は変わり者なのかもしれないけど!
そんな時にお前が階段から落ちそうになって――
身体が反射的に動いて――
「~~~~」
俺は赤くなって少し顔を伏せる。
いや、なんでこいつこんなに恥ずかしい事書けるんだよ……?
あいつ、大人しいように見えて内側にはこんなに激しい感情とか持ってんのかよ……。
うわ、やばい……。
どうしよう……。
すげー、嬉しい。
やばい、どうしよう……。
明日コレさ。
なんて顔して逢ったらいいわけ?
その時、教室の出入り口で机が倒れる音が聞こえた。
驚いてそっちの方を見てみると――
「そ……そそそそそそそれ……」
完全に動揺してる、俺の想い人がそこには居た。
そして顔を真っ赤にして、震える人差し指で俺の手にしてるノートを指差す。
「あ、いやっ! あの……これはさぁ!」
俺も動揺して、思わず手にしていたノートを落としそうになる。
あのさ、聞いてもいい?
こういう場合、なんていえばいいわけ?
俺もあいつも、顔が赤くなってて。
何を言えばいいのかわからなくて。
ただただ、黙ってて――
「そ……それ……」
口を開いたのは、あいつだった。
「それ……君じゃ、ないから……」
それだけ言って、教室から出ようとするお前。
俺は、反射的に教室の扉の方へ駆け寄って、お前を逃がさないように腕を掴む。
「じゃ、じゃあさ! 今日書いてたこれ、なんだよ!」
ちょっと自分でも音読するのは恥ずかしいけど……。
「〝今日のお昼、お箸を忘れてシャペーンとボールペンで食べようとしてたね。すごい、可愛かった。よかったら僕のお箸、貸してあげるよ?〟って…今日の俺だろ!? いや、見てたら貸して欲しかったんだけど! あれ、すげー食いづらかったし、午後の授業で箸代わりにしたシャペーンからなんか汁出て来て困ったんだけど!!」
「――知ってる」
「って、やっぱこれって俺だろ!?」
顔を赤くしながら俺が言うと、お前は――
「――――そうだよ! 君だよ! 僕は君が好きなんだよ!」
まるで林檎みたいに顔を真っ赤にして、お前はそう言ったんだ。
えっと、今日俺が忘れ物した好きな人にやりたいリストに乗ってたシチュエーションだ。
こういう時、俺はそうしたかったんだ。
キスをして、お前を抱き締める。
そして――
「好き、なんだよ。俺もお前の事が――」
そう言ったんだ。
そしたら俺もお前も嬉し過ぎて泣いちゃって。
教室そのままにして、帰って公園とかで色々話したんだ。
今まで出来なかった分、話をたくさんして。
でも次の日、担任にめっちゃ怒られたんだけど。
それでも、お前と一緒だったから全然辛くなかったけどな。
あれ、これでいい?w
なんかすげーグダグダだったけど、いいのこれで?w
ま、終わり良ければ全て良し――で?w



ちなみに後日談。
俺とお前は付き合う事になって、一緒に帰ろうとしたある日の事。
「おい、今日は帰れないから」
3年のすげー美人で有名な先輩が、お前に声を掛けて来た。
「ああ、お兄さん。わかったよ。彼氏と一緒?」
「そんなわけないだろ。ふざけるな、莫迦が」
「って、えぇぇ!!? お、鬼…お兄さんなの!? この有名な先輩様がぁ!?」
「おい、今お前俺の事鬼って言っただろ」
「うん。鬼さん、お兄さんなの」
「おい、それ上手くないからな」
なんて事があった、そんなある日の事でした。
関連記事


もくじ  3kaku_s_L.png 名も無き物語
もくじ  3kaku_s_L.png 秘密の物語
もくじ  3kaku_s_L.png 瑠璃子の呟き
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【短編 大好きだったんだ】へ
  • 【短編 この、莫迦が】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【短編 大好きだったんだ】へ
  • 【短編 この、莫迦が】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。